イタリア紀行

2月1日からイタリアの4都市を11日間(ローマ入国、ミラノ出国)で周ってきた。
イタリア内の日程は、ローマ(3泊)→フィレンツェ(3泊)→ベネツィア(2泊)→ミラノ(1泊)で各都市間の移動にはユーロスターを利用する。
成田空港で航空券、ホテル宿泊券とユーロスターのチケットを受け取って、後は自由行動だ。

イタリアの印象を一言で言えば、ローマ時代とルネッサンスの中心地だけに所謂名所といわれるところは超一級品ばかり、だが偉大なる先祖の遺産に依存しあぐらをかいているような部分も感じられた。

<ローマ>
ローマでは、混雑が心配される「最後の審判」で有名なバチカン美術館へ、朝一番で出かけた。
幸い混雑は無くすんなり入場できたのだが、延々と続く宗教画のオンパレードに全く歯が立たない、見物順路の最後に当たるミケランジェロの「最後の審判」に辿り着いた時はへとへとになっていた。
天井画であり祭壇画である「最後の審判」はさすがに素晴らしく、そのスケールとミケランジェロの宗教への情熱に圧倒された。
ラファエロの「アテネの学堂」は見過ごしてしまったので、再度逆流して確認し何とかクリアした次第。

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                              バチカン美術館にて

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                              ラファエロの「アテネの学堂」

バチカン美術館の隣に位置するのがサンピエトロ寺院(カトリック教徒の総本山で世界最大のカトリック教会)。
315年に聖ペテロの殉教地にカトリックの主聖堂として着工された後、16世紀に建築家ブラマンテが大改造を命じられ、続いてラファエロ、ミケランジェロが手掛け約120年かけて再建したという。
内部に入ると、そのおおきさにまず圧倒される。
ルネッサンスからバロック時代の巨匠が引き継いで建築した歴史がひしひしと伝わってくる。
壮大な寺院内部を形成するミケランジェロのピエタ(キリストの死を悼む聖母像)やベルニーニの「聖ペテロの椅子」を始めとする芸術群、夥しい数の大理石の彫刻に加えて、見事な天井画、ステンドグラス、この芸術性が高く巨大な空間が、一種荘厳な雰囲気を醸し出している。
サンピエトロ寺院は2日間に亘って訪問した。

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                              サンピエトロ寺院にて

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                              サンピエトロ寺院にて

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                              ミケランジェロのピエタ

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                              ベルニーニの「聖ペテロの椅子」

他にローマ時代の遺跡であるフォロ・ロマーノと円形闘技場コロッセオを半日以上かけて見物。

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                              コロッセオ

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                              コロッセオ

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                              フォロ・ロマーノ

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                              フォロ・ロマーノ

トレビの泉はコインを投げ入れるための場所がなかなか見つからないほどの盛況だった。

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ユーロスターでフィレンツェへ。(280km/約1時間40分)

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<フィレンツェ>
花の都といわれるフィレンツェだが、冬空に雨混じりの日が続いてその雰囲気は感じられなかった。
古風な家並みに石畳を敷き詰めた街並みが美しい。
フィレンツェの見どころは、メディチ家歴代の美術コレクションを収蔵するウフィツィ美術館だ。
イタリアルネサンス絵画の宝庫であり、展示物は2,500点にのぼるという。
日本出発前に予約なしでは入場まで3時間以上かかるという話もあったので日本で予約して行ったが、オフシーズンのためか入場の行列は皆無で、予約券で購入すると入場券に予約料が加算されるので予約券を破棄して通常券で入場した。
まともに見て回れば半日以上かかってしまうので、狙いを絞って周る。
イタリアルネサンスの巨匠の絵画であるボッティチェッリの「ヴィーナスの誕生」と「春」、ラファエロの「ヒワの聖母」、レオナルド・ダ・ヴィンチの「受胎告知」などを目指して見て回った。
これらの絵画が素晴らしいのは勿論だが、同じ画家の作品が併設してあるのでそれらを合わせて、各々の画家の個性や癖や傾向を楽しむことが出来た。
また、今まで知らなかったフィリッポ・リッピやティツィアーノといったルネサンス期の著名な画家の絵画を知り、新たな楽しみを見出した。
以上の絵画を一通り見た後、一旦休憩した後でもう一度見て周った。所要時間2時間半。

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 ボッティチェッリの「ヴィーナスの誕生」          ボッティチェッリの「春」        

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 レオナルド・ダ・ヴィンチの「受胎告知」             ラファエロの「ヒワの聖母」

ウフィツィ美術館のアルノ川を挟んだ対岸にパラティーナ美術館がある。
ここにはラファエロの「小椅子の聖母」やフィリッポ・リッピの「聖母子と聖アンナの生涯の物語」を始めとするラファエロ、リッピ、ティツィアーノらの数多くの作品が展示されていた。
ウフィツィ美術館に行った次の日に訪れたが、ここもゆっくり見て周り2時間ほどかかった。
日本ではここにある数枚の絵を持って来て「・・・展」と銘打って行列になるのだから、こういう時間も悪くない。

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                              パラティーナ美術館

フィレンツェではアカデミア美術館にあるミケランジェロの「ダビデ像」も見逃せない。
ルネッサンス芸術の記念碑的作品といわれるのも無条件に共感できる。
この2年の歳月をかけて完成した高さ6mの大理石の像の前では、理屈抜きに人間の根源的な美や理想に触れるような感動を覚えた。
そしてフィレンツェ観光の中心地にあるのがドゥオーモだ。
サンピエトロ寺院の規模には及ばないが、赤レンガ色のクーポラと赤とダークグリーンの大理石をあしらったファサードに特徴があり、これも相当なものだ。

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                              ドゥオーモ

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                              クーポラ内のフレスコ画

ユーロスターでベネツィアへ。(約2時間)

<ベネツィア>
ベネツィアには2月7日(日)の昼に到着した。
日本を出発するときには知らなかったのだが、仮面の扮装で有名なカーニバルが前日に開幕しカーニバル最初の日曜日に当たっていた。
フィレンツェからベネツィアへのユーロスターも満席でカーニバル目当てと思われる親子連れが目に付いた。
サンタルチア駅に着いたが、どうしていいか分からない。
カーニバルの案内表示は無いようだし、人は一杯いるのだが、どうせ英語で聞いてもらちがあかない。交通手段はヴァポレットという水上バスしかないので36時間有効の1.5日券を買ってサンマルコ広場を目指して乗り込んだ。
運河を進むヴァポレットから見える両岸の景色には感激した。
雰囲気のある古めかしい形も色合いも様々な洋館が展開し、その一つ一つも素晴らしいのだが、それらの織りなす視界全体のハーモニーが素晴らしい。
ヴァポレットが適度な速さで進むのにつれて全体ハーモニーは少しづつ変化していく。
冬の船上はマフラーをして手袋をはめても寒いがハーモニーを撮ろうとひたすらデジカメのシャッターを押した。

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                              ヴァポレットから

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                              ヴァポレットから

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                              ヴァポレットから

カーニバルについてはサンマルコ広場の停車場へ着いてもよく分からないので、ヴァポレットの終点のベネツィア映画祭で知られるリド島まで行くことにした。
リド島からの帰り便でサンマルコ広場を少し過ぎた辺りで何やら行進らしいものが見えた。
近くの停車場でヴァポレットを降りて近づいてみるとカーニバルの行進だった。
仮面をつけ思い思いの古風な衣装に身を包んだ2030人ほどのグループが次々に進んでくる。分からないが昔のベネツィア共和国の州?のような地域毎に伝統的な装束を着こんで行進しているように思われた。
このサンマルコ広場近くの一帯には仮面を売る出店が多数あり、またメーキャップをしてくれるスタンドを出ていた。
観光客も仮面を身につけた人が多く、私も仲間入りさせてもらった。

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                              カーニバル

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                              カーニバル

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                              カーニバル

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                              カーニバル

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                              カーニバル

サンマルコ寺院
ロマネスク・ビザンティン建築の傑作と言われている。
ファサードに設置されたモザイク画が美しい。

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                              サンマルコ寺院

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                              聖マルコの像

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                              夜景

ユーロスターでミラノへ。(160km/約2時間30分)

<ミラノ>
朝ベネツィアから移動しミラノには昼に着いた。
翌日は午前中に帰国なのでミラノでの観光時間は半日しか取れない。
ゴシック様式の大聖堂ドゥオーモに的を絞った。
「ローマのサンピエトロ寺院に負けないドゥオーモを」とのミラノ領主の掛け声で1386年着工。大量の大理石を使用したゴシック建築の傑作と称されているとのこと。
当日は雨上がりの肌寒い日だったが、冷え冷えとした曇り空の中で白が基調のその美しさが一層引き立っているように見えた。
243段の階段を上って屋上まで登ったが、驚くほど大きい。
少し離れて全景を見るのがベスト。

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                              全景

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                              ドゥオーモ屋上にて

レオナルド・ダ・ヴィンチ「最後の晩餐」も無事鑑賞。

以上、ローマ時代とルネッサンスの歴史を背景に超一級の名所旧跡芸術作品に満たされているイタリアを堪能させてもらったが、首を傾げた事がいくつかあった。
まず、世界有数の観光立国のはずなのに英語の案内表示が十分ではない。
街中や駅の案内表示から美術館の説明文に至るまでイタリア語だけの場合があった。
英語も通じない。街中で道を聞いたり、バスの中で降りる場所を聞いたりしたがほとんどうまくいかなかった。
年寄りだけではなく若い人でも通じない事が多い。
日本だと外国人から英語で話しかけられると英語に自信が無い人は黙ってしまうが、イタリア人はイタリア語で応答してくる。
相手がイタリア語はわからないだろうとあまり考えないようだ。
ローマ帝国の末裔だけに大国意識が強いのかもしれないが、別の面から見るとあまり気配りが得意でないのかもしれない。
街並みは整っているが、ごみが目に付く、落書きも多い。

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                              フィレンツェの街角

地下鉄の落書きは昔のニューヨーク並だ。

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                              ローマの地下鉄

ベネツィアには運河の町という事情もあるだろうが、公衆トイレが無かった。
たまに見つけると1.5ユーロの有料だ。後進国じゃあるまいし。
いろいろ暮らしにくい事があったのが、「先祖の遺産にあぐらをかいて」の印象につながった。

最後に嬉しかったのは、ワインと生ハムが安くておいしい事。
ビール代わりに飲めるトスカーナ産のローゼは、特に気にいった。

この記事へのコメント

フェン
2010年02月23日 13:30
イタリアはすばらしいですね。
行きたい!

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