武力

「日本人に生まれてよかった」と思っている人は多いだろう。70歳の私も戦争も飢えも経験せずに豊かで平穏で自由な生活を享受してきた。歴史を振り返ると世界では弱肉強食の殺し合いと宗教上の不寛容に起因する殺し合いを繰り広げてきたのに対して、我が国では島国のため他国の干渉侵略を受けにくい利点を生かし、また八百万の神を崇める伝統のもとに神仏習合の知恵を働かせて、おそらくは世界で最も殺し合いの少ない平和な歴史を歩んできた。
唯一この平和な歴史に影を落としているのは大東亜戦争の敗戦だが、我が国の増長はあったにしても仕掛けられて嵌められて引き釣り込まれた戦争だったことも事実だろう。広島、長崎での原爆人体実験による大虐殺、東京をはじめとする各都市への焼夷弾による民間人の虐殺、これらは紛れもない戦争犯罪だ。こんな残虐非道を犯しておきながら南京大虐殺をでっち上げて人類の平和に対する罪とかで日本は裁かれた。西尾幹二さんが言うように、「戦争に正しいも正しくないも無い。勝つか負けるかで日本は負けた。」それだけだ。
敗戦に因ってどん底まで突き落とされたが、不屈の精神で奇跡の復興を成し遂げた。つまり、「日本人に生まれてよかった」という思いは、現在が豊かで平穏で自由なだけでなく、過去を振り返っても仏教をはじめとする大陸文化の取り入れ方、徳川300年の平和による教育レベルの高さ、明治維新の国家改革の見事さなど世界に誇るべき歴史によるものだと思う。
ここまでは前段だ。この素晴らしい国日本で今を生きる私は日々接する国際ニュースを聞いて釈然としないことが多々ある。もっとはっきり言えば不愉快なことや怒りを覚えることがある。
それは思うに敗戦後70年成し遂げた経済復興による国力と貫いてきた平和主義に見合ったポジションを確立していないことによると思われる。それは敗戦後のアメリカをはじめとする戦勝国による日本文化の全否定作戦によって植えつけられた自虐史観から未だに多くの国民が脱却できずに日本人が自信喪失に陥っていることが主因である。
分かり易いのが憲法9条の問題だろう。この「他国の善意に期待して自国の軍隊は持たず戦争はしない」という、言い換えれば「強盗はいないはずなので鍵はかけません」と言っているような小学生でも分かる自虐憲法を後生大事に守ろうとしている人が少なからず存在する。この人達の基本的な考え方は日本は武力をもったら悪いことをするに違いないということだ。北朝鮮や中国よりも自衛隊の方が信用できないということだ。
拉致問題を嘆く人は多いが、軍隊も持たずにならず者国家北朝鮮からどうやって取り戻せると言うのだろう。こんなバカげた論争をやっている間に北朝鮮を持ってしまった。北朝鮮は核を絶対に手放さないだろう。日本は北朝鮮の恫喝や中国の脅威から逃れるため、アメリカにすり寄るしかない。原爆と焼夷弾で大虐殺をして一言の謝罪も無いアメリカにすり寄るしかない。情けない話だ。
安倍首相は良くやっている。TPPや日欧EPAで自由貿易を推進し、外交では自由と民主主義と法治主義の仲間を増やしている。武力を持たないハンデを負いながらトランプやプーチンを説得している。この安倍首相をしても拉致問題、北方領土問題は進められないようだ。ならず者相手に徒手では無理なのだ。拉致問題を解決できない以上日本は主権国家ではないと現状認識すべきだろう。
国力は、経済力+軍事力+モラル力だろう。軍事力を欠いた片肺飛行では言うべきことも言えない、やるべきこともやれない2等国家になってしまう。ならず者相手では武器を持たねばまともな交渉はできないし守るべきものを守れないということだ。

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